鎌田大地のプレーの進化ぶりに、ブンデス・リーガから目を離すことができない。彼は、日本代表のサッカーに足りなかった部分を埋める大きなピースとなる可能性を秘めている。来年に迫った2022年ワールドカップ・カタール大会での活躍に、その期待は膨らみつつある。
■賞賛に値する鎌田のプレーの数々
1ゴール1アシストという“結果”だけではなく、ヴォルフスブルク戦の鎌田のプレーは賞賛に値するものだった。アシストとなった場面だけでなく、90分間にわたって前線のルカ・ヨヴィッチやアンドレ・シウヴァに素晴らしいパスを供給し続けたのだ。
事前に味方の位置や動きを把握していること。そして、スペースを把握する力が付いていることで、味方からのパスを受けた瞬間に、前線の選手の動きを感じ取ることができるのだろう。ほとんどノールックで、体の向きや顔の向きとは逆方向の、守備側の選手からはまったく予測できない方向に角度を付けてパスを出せるのだ。
鎌田の身長は180センチ。屈強なブンデスリーガの選手たちの中に入ると、もちろん大型の選手でもないし、とくに足が速い選手というわけでもない。運動量で突出しているわけでもない。
そんな選手が好パフォーマンスを発揮できるのは、ポジション取りの上手さのおかげであり、また動き出しのタイミングをつかむ嗅覚のようなもののおかげなのだろう。
しかもヴォルフスブルク戦の3点目のアシストの場面で、相手からボールをもぎ取ったプレーのように、最近は接触プレーでもまったく見劣りがしない。しっかりと体幹を鍛え上げているのだろう。