■寸断されたゲームの流れ
かなり単純な判定のようにも思えた。だが、笠原寛貴主審はVARと延々とやり取りしている。最終的にはオンフィールドレビューが行われ、笠原主審が「ノーゴール」を告げたのは“ゴール”が決まってから3分30秒以上が経過してからだった。
レアンドロ・ダミアンのポジションがオフサイドだったのは明らかだった。後は、プレーに関与しているかどうかを審判が判断すればいいだけの話のはずだ。VAR(松尾一氏)が判断できないのなら、すぐにオンフィールドレビューをすればよかったのではないか。
J1リーグでは今年から全面的にVARが採用されているが、諸外国に比べればVARの介入によってプレーが止まる時間は短く、これまで順調に運用されていたように思っていた。それだけに、この川崎対広島戦の長〜い中断は残念だった。
要するに、ディテールの確認に時間がかかってしまったということなのだろう。審判は、もっと勇気を持って、自分の責任で早めに判断を行ってほしいものだ。
たとえば、VARが入る試合では、かなり明らかなオフサイドがあっても、副審が旗を上げない。だが、それでゲームの流れが大きく阻害される。やはり、オフサイドがあれば、すぐに旗を上げてすぐにゲームを再開してほしいものだ。小さなヒューマンエラーを恐れることよりも、ゲームの流れを大事にしてほしい。VARは、あくまでも明らかで重大な誤審を防ぐためのものなのである。