■雌雄を決した交代劇の妙

 5分間……。パワープレーを試みるにはまさにうってつけの時間である。

「5枚替え」というのは、イングランドのプレミアリーグマンチェスター・ユナイテッドオーレ・グンナー・スールシャール監督が行ったことあるのだという。2020年6月のシェフィールド・ユナイテッド戦だった。だが、この時はすでにマンUが3対0でリードしており、試合の決着がついた後に選手を休ませるために交代を使ったものだ。

 だが、この日のユン・ジョンファン監督の「5枚替え」は、実質的な意味のある交代だった。これ以上の失点を防ぎ、そしてパワープレーで1点を取るための「5枚替え」だった。

「5枚替え」の1人として投入された小林祐介がディフェンスラインの前に立って、「放り込み役」として前線にロングボールを入れ続けた。また、CKのチャンスもあった。しかし、結局、千葉のパワープレーはすべてはね返されて1対2のまま、長いアディショナルタイムが終了した。

 千葉が5人の交代選手の準備を終えてからプレーが切れるまで時間がかかったため、その間に琉球側も交代の準備を終えて、千葉の「5枚替え」と同時に琉球も交代を使えたのが一つのポイントだったかもしれない。

 琉球は風間兄弟に替えてDFの李栄直(リ・ヨンジ)とFWの富所悠を投入した。富所はトップで相手のボールを追う役割を果たし、そして、元北朝鮮代表のDF李栄直は守備ラインの中央に入って相手のロングボールを跳ね返す役割を果たした。李栄直は強さのあるDFで、高さも187センチある。

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