■待望のゴール「時々、あの場面をビデオで見返す。喜びも、誇りも、すごく大きいよ」

——その後、前半32分に、相馬が再びクロスをあげて、ついにあなたがゴールを決めました。

「あのチームでは、いつでも名波が、左サイドで相馬と反応し合っていたんだ。相馬が左サイドで上がった時には、カバーに入って、守備のバランスを取るために。で、カズが中に入って、相馬のルートを開ける。その相馬はすごく強くてスピードがあったから、1対1で止められることはあまりなかった。

 だから、サイドでそういう動きがあった時には、僕はもう、ニアにそのボールが来ることを待っていたものだ。だからあの時も、僕らはニアに走り込むために対角線上になった。後は、彼が出したボールを決めるだけだった。

 最大の喜びだったよ。日本代表でプレーし、ゴールを決めて、サポーターが歓喜を爆発させているのを見るのはね。

 日本のサポーターは参加してくれるんだ。試合の間中、歌っているし、応援してくれる。そんな彼らがゴールを祝っているのは、すごく美しい風景だ。時々、あの場面をビデオで見返すんだけど、喜びも、誇りも、すごく大きいよ」

——あなたの方も、ゴールを決めて、最初にやったのが、ゴール裏のサポーター達に手を挙げて見せることでしたね。

「近くにいたんだよね。だから、キスを送ったか…分からないほどだよ。ゴールを決めて、あれだけ幸せだと、何をすれば良いのか分からなくなる。感情の爆発だ。看板を飛び越えることはできないんだけど、サポーターと一緒に祝えるのは、すごく嬉しいことだ」

※その3に続く

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