■守備の圧力と高い緊張感

 シティ勝利の要因は、早々に2点を奪った攻撃面だけにあるのではない。ボールを奪われた瞬間に守備へと切り替え、相手に圧力をかけていく。守備においても、ボールの周り常に数的優位をつくっていた。攻撃における流動性は守備にもつながっており、ポジションに関係なく個々が相手に対応できていた。

 そして、最終ラインの集中力である。ボールを保持する時間が長いほど、反撃を受けた際の守備陣は安定感を欠くものだ。だが、シティの最終ラインが緊張感を欠くことはなかった。12分の先制点も、相手GKが蹴ったボールを弾き返したジョン・ストーンズのヘディングから始まったことは見逃せない。

 さらにさかのぼれば、開始早々のリードで相手を落胆させられたのは、ファーストレグ終了間際のエデルソンの好セーブがあればこそだ。あの場面で失点していたら、第2戦でのボルシアMGの気勢はもっと長く続いただろう。初戦でポルトに1点を許して以降、今季のCLでシティは失点していない。CLの歴史において3チーム目となる、7試合連続クリーンシートの達成だった。

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