■完璧だった試合の「締め」
試合の締め方も完璧だった。後半半ばから次々と先発した選手を休ませていったが、交代出場した選手がそれぞれ「キャラクター」を見せた。アンカーに入ったフェルナンジーニョは、守備のみならず攻撃面での違いも見せる。中盤からするすると持ち上がって、相手DFの衝突を招きながらリヤド・マフレズのシュートにつなげたのが65分。4人に囲まれながらするりと抜け出す場面もあった。この試合のラストプレーとなるマフレズのシュートにつながるプレーも、35歳になるこのキャプテンのパスから始まっていた。
左ウィングに入ったラヒーム・スターリングは得点への意欲を露わに、ゴールに迫った。「選手が20人いて、全員がフィットしていなければ、勝負していくことは不可能だ」とペップ・グアルディオラ監督は語った。「肉体的にだけではなく、精神的にもフレッシュであることが重要なんだ」。チームはまさに、指揮官が望んだ状態にある。マルコ・ローゼ監督が今季限りでの退任と、来季のドルトムント“移籍”発表と前後して、これで公式戦9試合未勝利のボルシアMGとは、まさに対照的だった。
悲願のビッグイヤー獲得まで、あと6試合。日本時間18日には8強が出そろい、翌19日には、準々決勝のカードが決まる。運命の扉を、またひとつ開く作業が始まる。