■不可解ないくつかの事柄

 さて、ここでお断りしておきたいのは、僕は継続的にFリーグの取材をしているわけでもないし、トルエーラ柏というチームについても特別に情報を持ち合わせているわけではないということだ(トルエーラ柏の試合を見たことは残念ながらまだない)。

 従って、これから後の話はすべて一般論としての考え方だということをご理解いただきたい。

 まず、一般的に言えることは「ライセンス基準」というものは、当然、事前に公表されているべきものであるはずだ。そして、ライセンスが不交付となったのなら、その理由について具体的な説明がなされるべきだ。

 なにしろ、「昇格」というのはクラブ経営にとっては死活的な重大事だ。

 基準が公開されていなければ、それに向けて努力することもできないし、なぜライセンスが不交付となったのかが公表されなければ改善もできない。当該クラブにとって大変な問題だし、これから昇格を目指そうという他のクラブも何を目指すのか分からなくなってしまう。それに、ライセンス交付に関する決定が、リーグ戦が実質的に全試合終了し、順位が確定した後になされることもおかしい。

 もし、Jリーグで同様の事態が起こったら、たとえばJ2リーグで優勝した徳島ヴォルティスにJ1ライセンスが与えられないことがリーグ戦終了後に発表され、その理由も明らかにされなかったとしたら、どんな大騒ぎになるだろうか。

 だが、トルエーラ柏のF1ライセンス不交付問題はまったく世間の注目も集めずに終わってしまいそうだ。残念ながら、それが現在のFリーグというものの社会での認知度を示しているのだ。

※第2回に続く

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