日本フットサルリーグ(Fリーグ)は日本フットサル連盟が運営する全国リーグである。ディビジョン1(F1)とディビジョン2(F2)が開催され、原則としてF1昇格、F2降格は入れ替え戦で決定する。今シーズンのF1は名古屋オーシャンズが、F2はなんと全勝でトルエーラ柏が優勝した。ところがトルエーラ柏にはF1ライセンスが発行されないことがシーズン終了後に発表され、入れ替え戦は行われないことになった。いったいFリーグに何が起こっているのだろう?
■絶対王者の名古屋オーシャンズが順当に優勝
フットサルの全国リーグ「Fリーグ」の2020/21年シーズンがようやく終了した。
新型コロナウイルス感染拡大の影響で延期になっていた試合が2月に東京・駒沢屋内球技場で集中的に開催され、3月14日の湘南ベルマーレ対立川・府中アスレティックFCの試合で全日程を終了したのだ。
例年であれば12チームが3回戦総当たりで各チーム33試合を戦うのだが、今シーズンは2回戦総当たり、各チーム22試合で争われ、優勝が名古屋オーシャンズ、そして2位がバサジィ大分と、上位2チームの順位は前シーズンと変わらなかった。名古屋は22試合を戦って19勝2分1敗という圧倒的な成績だが、これも例年通りの結果である。
2007年に発足したFリーグは今シーズンで14シーズン目を迎えたのだが、そのうち名古屋オーシャンズはシュライカー大阪が優勝した2016/17年シーズンを除いて、なんと13回も優勝を飾っているのだ。まさに“絶対王者”である。スポンサーとして武田テバファーマ(旧・大洋薬品を吸収合併)がバックアップしており、国内のフットサル・クラブで最も潤沢な資金を持ち、いわば日本唯一のプロチームといった存在だ。
今シーズンは試合数が例年とは違うが、22試合で行われた今シーズンの勝点(59)を単純に1・5倍すると88ないし89ということになる。昨シーズンの名古屋が勝点85、その前の2018/19年シーズンが勝点89だったから、今シーズンの成績も例年並みということができる。
ただ、今シーズンの総得点数は22試合で86、つまり1試合平均約3・91となっており、昨シーズンの総得点188(1試合平均5・70)、一昨シーズンの総得点172(1試合平均5・21)に比べるとやや少な目だ。
これは、昨シーズンから名古屋を指揮しているスペイン人のフアン・フランシスコ・フエンテス監督が非常に手堅いフットサルをするからなのだろう。個人能力の高さを生かして奪われたボールもすぐに回収。相手に攻撃機会を与えずに着実に勝点3を取っていく。そういう試合がフエンテス監督の考え方であり、圧倒的な攻撃力で相手を叩きのめすとか、アクロバティックな攻撃を見せたりするわけではない。
「あんなに強い名古屋オーシャンズに、あれほど手堅い試合をされたらかなわない」。そんな印象だ。
いずれにしても、名古屋は今年も順当に圧倒的な成績で優勝を決めたのだった。