■チームワークが試されている

 土日の練習や試合であれば、練習開始30分前の「集合時間」には大半の選手が集まっているからあまり問題はないが、多くの選手が仕事を終わってからかけつけるウイークデー夜の練習では、ほとんどの場合、少人数、ときには3人でこの作業をすることになる。そして彼女たちは、3人でそれをやってしまうのである。

 練習場のゴールもゴールネットも、もう10年以上使われているものらしく、バーやポストのフックが壊れていたり、ほとんどなくなっているものも多い。そういうとき、彼女たちは、自前の「用具袋」から1メートルほどの長さに切りそろえられたヒモを取り出し、まずネットに縛り付け、それをバーや-ポストに結ぶのである。たまには私も手伝うのだが、選手が3人以上いるときには手を出す必要がないほど手際がいい。

 たまに、ゴールを立ててから上の角のところにネットが固定されていないのを見つけることがある。そうしたときには、身の軽い選手がまるでサルのようにするするとポストを登り、あっという間に修正する。そうした選手がいなければ、大柄な選手が軽い選手を肩車して修正する。

 私は、自分のチームの選手たちをとても誇りに思っている。よく言い合いもするが、試合になったらどんな強豪相手の試合でも声をかけ合い、最後まであきらめずに走り、得点しようと力を合わせて最大限の努力をするからだ。しかしもしかしたら、たった3人でも助け合ってマジックのようにゴールネットを張ってしまうチームワークのほうが、私にとっての「感嘆度」は高いかもしれない。

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