【J1分析】「反撃の名門」清水が鹿島を下した2つの理由「守備意識と適材適所」の画像
鹿島のザーゴ監督と清水のロティーナ監督(開幕前監督会見) 写真/サッカー批評編集部

■2月27日/J1第1節 鹿島―清水

 名門が、静かに反撃ののろしを上げた。鹿島アントラーズのホームに乗り込んだ開幕戦。昨季2敗を喫した相手に、清水エスパルスが逆転で3-1の勝利を飾った。

 両チームの違いは、守備陣形の緊密さにあった。

 鹿島は昨季からプレーする11人が先発した。CBは高い位置でもボールホルダーに鋭く「アタック」し、中盤では三竿健斗永木亮太がボールを奪い切る。人に対して強い守備を続けていた。

 対する清水は7人が新戦力。だが、チームとしてしっかり準備をしてきたことは、プレーにしっかりと表れていた。

 基本フォーメーションは4-4-2だが、守備にまわると竹内涼がアンカーとなり、前線からディサロ・燦・シルヴァーノが降りてきて4-1-4-1へと変化する。中央に網を敷き、ロングボールに対しても、最終ラインが背後を取らせなかった。

 ゴール前には、強固な壁を築く。常に的確な距離感でエリア内にそびえ立つヴァウド鈴木義宜に加え、ボールと反対側にいるサイドバックが並んで守備に精神を集中する。押し込まれれば中盤も下がってラインをつくり、守備ブロックを形成した。

 0-0で前半を終えたが、危ない場面がなかったわけではない。29分には左サイドからのクロスを、エヴェラウドに強烈ヘッドで合わされた。空中戦に自信を持つ鹿島の2トップの一角、上田綺世のニアへの動きを警戒した裏で、大外からエヴェラウドに狙われた格好だった。だが、前半のピンチはこの場面だけだった。

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