■オーバーヘッドでのスーパーゴール
6バックのバランスを崩したいチェルシーはヴェルナーやジルーがふらふらとマークについている選手から離れたが、サヴィッチとエルモソが余っているアトレティコには影響がなかった。前線だけではなく中盤からそのバランスを崩させることを試みたチェルシーは、ジョルジーニョがボールを散らし、メイソン・マウントが機動力を活かしてマークの受け渡しを忙しくさせたが、コケだけでなくサウール・ニゲスとアンヘル・コレアも守備に奔走したアトレティコは固く、ビッグチャンスを作るには至らかった。
得点が入るとすれば、速いクロスに飛び込む形、あるいはシュートがディフェンダーに当たってコースが変わるパターンしかない、そう思わせる展開だった。
互いに攻撃で決め手を欠いていたが、ゴールはチェルシーに生まれることになった。68分、クロスが流れかけたところで、マウントと競り合ったエルモソの足に当たったボールがオフサイドポジションにいたジルーにこぼれ、オーバーヘッドでのスーパーゴールが決まった。
チェルシーにとっては値千金の、守れていたアトレティコにとっては不運なゴールとなったが、この試合は1stレグ、まだまだわからない。