■待ち受けるセカンドレグ

 メンバーも戦い方も、2ndレグは1stレグとは全く異なる試合になりそうだ。

 アトレティコは次の試合ではトリッピアーが戻ってくる予定で、ジョレンテを前線に配することができる。

 この試合、チェルシーはゴールキーパーのエドゥアルド・メンディと最終ラインの部分でのボール回しでアトレティコのプレスによるミスが散見された。ジョレンテが前線でそのプレスに加われば、チェルシーの後方からのビルドアップはより難しいものになる。しかも、ジョルジーニョとマウントが累積警告で次戦出場停止となったことで、中盤でアトレティコの守備を崩そうとすることも難しくなってしまった。

 また、アウェイゴールを奪われたといっても、実はアトレティコはこの試合が0-0でも0-1でも1-1でも大差ない。2戦目で1点を奪う、というプランには変わりないからだ。今年は無観客試合であり、VARもある。芝の長さや散水の具合で極端なことをしない限り、今やホームアドバンテージはほぼ存在しない。

 勝てばアトレティコの勝ち抜けになる。しかもアトレティコにはプラス材料が、チェルシーにはマイナス材料がある。

 こうなると、なぜか0-1で負けたはずのアトレティコの方が有利に思えてくるから不思議だ。ディエゴ・シメオネ監督にかかれば、アトレティコの選手たちはもっと精神的に優位に立って次の試合を戦うだろう。

 90分ではなく180分、あるいは210分での戦いで、互いに大きく変化をしながら総合力で競い合う。決勝戦よりも決勝トーナメントの方が面白い、と言われる理由はそこにある。


■試合結果

アトレティコ・マドリード 0-1 チェルシー


■得点

68分 オリビエ・ジルー(チェルシー)

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4