【UEFAチャンピオンズリーグ ラウンド16 1stレグ アトレティコ・マドリードvsチェルシー 2021年2月23日(日本時間29:00キックオフ)】
6-3-1で撤退するアトレティコの守備自体は、チェルシーにとって想定通りだっただろう。昨年のチャンピオンズリーグ決勝トーナメントはもちろん、リーグ戦でも見せることがある定番の形の1つだ。
その守備はチェルシーの想定よりもずっと固いものだったが、一方でチェルシーが攻撃で脅かされることは想定より少なかった。
それはマルコス・ジョレンテの起用法によるものだった。
アトレティコの6バックはマンマークとの混合だ。この試合ではセンターフォワードのオリビエ・ジルーをフェリペが、カラム・ハドソン=オドイをトマ・レマル、ティモ・ヴェルナーをジョレンテがマークすることで、一旦最終ラインに落ちたコケ、そしてセンターバックのステファン・サヴィッチとマリオ・エルモソの3人が余っている状態になった。
しかし、この日の6バックは普段よりも攻撃を犠牲にしたものになっていた。キーラン・トリッピアーが不在だったことで、スピードと運動量に優れ、普段は相手陣内での狩人であり、リーガのアシスト王でもあるジョレンテをヴェルナーにつけなければならなかった。そのせいで、序盤こそビルドアップで崩そうとしたものの、徐々に攻撃ではルイス・スアレスとジョアン・フェリックスがそれぞれ孤軍奮闘することに賭けるしかなくなってしまった。