■ついに本物のミラノ・ダービーが復活
それにしても、本当の意味でのミラノ・ダービーが戻ってきたのは嬉しかった。
セリエAでは、ユベントスがちょうど新スタジアムが完成した2011/12年シーズンに久しぶりに優勝を果たしてから昨シーズンまで、なんと9シーズン連続でスクデットを獲得していたのだ。
この間、ミランもインテルも経営的な問題を抱えて低迷を続け、ユベントスを追うのはナポリであったり、ローマであったり、さらには小都市ベルガモを本拠地とするアタランタであったりした。ミラノ勢は5、6位に低迷してチャンピオンズリーグ出場権を逃すことも多かった。
そして、ようやく昨シーズンになって、9連覇したユベントスの基礎を築いたアントニオ・コンテがインテルの監督に就任してチームを2位に引き上げることに成功。そして、今シーズンはやはり2年目のステファノ・ピオリ監督の下でミランも盛り返し、ついにミラノ・ダービーでスクデットを懸けて両クラブが対決する日を迎えたのだ。
残念だったのは無観客だったことだ。
通常のシーズンであれば、スタディオ・ジュゼッペ・メアッツァの巨大な観客席は赤と青のコレオグラフィーに彩られていたはずだ。イタリア流のシニカルなユーモアによって、相手を揶揄するようなコレオはその意味を考えるだけでも楽しいものなのだが……。