J2021年のJリーグがいよいよ幕を開ける。本稿では新たなシーズンに挑むJ1各チームの注目選手を2名ずつピックアップ。チームとしてのポイントも紹介する。ニュースターの誕生を期待したい。
◎アビスパ福岡
厳しいシーズンになることは誰もがわかっている。
2006年、2011年、2016年、いずれも昇格した年に降格を味わった。その2006年以降の15シーズンを見ると、J2で2位のチームがそうなったことは6度(06福岡、08東京V、11甲府、13湘南、15松本、18長崎)ある。ちなみに、J2で2位だったチームがボトム4を回避しているのは半分以下の7度(07柏、10セレッソ、12鳥栖、14神戸、16磐田、17清水、19大分)だ。もちろん、J1のチーム数も降格チーム数も違うので単純に比較はできないが、良く解釈しても五分五分の戦いだ。
前例のない厳しいシーズンを乗り越え、5年周期でのJ1昇格・J2降格を断ち切るためにはプレーの質だけでなく精神的な強さも大切になるが、今年の福岡にはその部分での好材料がある。
それは昨年の最終戦にある。「この6点は来年取り返しましょう」長谷部茂利監督は試合後のセレモニーでそう語った。7-0ならば徳島ヴォルティスを上回り優勝だった福岡だが、1-0での勝利だった。勝ち点は同じだが、得失点差での2位。1点ずつの積み重ねが最終的な差になることを痛感してJ1に飛び込むことになった。
攻撃では1点でも多く、守備では1点でも少なく。昨年の教訓、そして勝って終わったはずの最終戦でのあの悔しさが、J1を生き抜くために背中を押し続けてくれる。