試合をたくさん見るためには、拠点はヨハネスブルグに置くしかありません。最大の都市ですが、最も治安が悪い都市でもあります。

 ヨハネスブルグの中でも治安が良いのは「サントン」という地域で、外国人向けのホテルがたくさんあります。しかし、そういう場所ですから、ホテル代がかなり高いのです。それで、インターネットサイトをいろいろチェックしていたら、「AA」という日本のJAFのような団体のサイトで郊外にある安全な宿泊施設を見つけました。その一つが、ヨハネスブルグとプレトリアの中間、ミッドランドというところにある「大木旅館」だったというわけです。

 大きな敷地の中にコテージ風の部屋が点在していて、それぞれの部屋には「プムラー(安らぎの地)」とか「ヴセレラ(再生)」、「ホサネ(歓迎)」といった名前もついています。そして、広さと設備によって1泊650ランドの部屋と700ランドの部屋に分かれていました。650ランドなら、日本円で約8800円。まずまず、許容範囲の料金です。

 ただ、一つだけ大きな問題がありました。交通をどうするかという問題です。

 もちろんバスは走っているでしょうが、外国人が1人で乗るのは絶対に避けるべきです。そして、悪いことに僕は自動車の運転免許を持っていないのです。

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