■一流ジャーナリストは運転しない

 ちなみに、日本では伝統的に一流サッカージャーナリストには運転免許を持っていない人が多いのです。賀川浩さんも、牛木素吉郎さんも自動車を運転しませんでしたし(賀川さんは特攻隊の生き残りですから、飛行機は操縦できるはずですが)、大住良之さんも運転免許を持っていません。

 そこで、運転が上手な(一流ではない?)人たちを集めてチームを結成することにしたのです。元読売サッカークラブ・コーチの湯浅健二さんはトラックの運転手をして資金をためて西ドイツに留学した人ですから、運転はプロ並みです。その他、有名なカメラマンとジャーナリストのR川兄弟とか、オランダ在住でかつては僕の子分のような存在だったN田徹とか、声が大きなM川女史とか、運転がうまいかどうかは知りませんが、長距離運転を厭わない人たちを集めて8人のチームを結成しました(「免許を持っているだけ」という人も若干1名いましたが)。そして、3台のレンタカーを1か月間借り切って、各地に移動しました。

 ヨハネスブルグ近郊からだと、市内の2カ所のスタジアムとプレトリア、ラステンバーグは日帰り圏内。ブルームフォンテーヌとダーバンは自動車で往復して現地で2泊という予定で移動できますから、飛行機を使うのはポートエリザベスとケープタウンくらいですみました。また、郊外からだと高速を使ってスタジアムまで行けば、市内の渋滞も避けることができます。

 ただ、大変だったのは料金の計算です。全員が同一行動をするわけではありません。現地到着の日も違えば、帰国の日程も違います。そして、大会の途中で「大木旅館」をいったんチェックアウトして遠隔地に行く人もいます。

 さらに、何度かに分けて予約金(デポジット)も支払わなくてはいけません。まず、「誰がどの部屋に何月何日から何日までと何日から何日まで、合計何泊する」というのを全員分計算して、それを合計し、その25%とか、35%とかに分けてデポジットを支払っていくのです。途中で計画を変更する人もいるので、前回の不足分とか、前回に支払い過ぎた分も計算し、さらに途中からはレンタカー代の前払いの計算も加わってきましたから、かなり複雑な計算になってしまいました。

 それを、メールを使ってやり取りしてから、銀行を通じて送金するというわけです。

 そうしたやり取りを全部引き受けてくれたのが、トリフィーナという女性でした。

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