■北九州の中盤を支えた加藤が東京Vの一員に
永井秀樹監督のもとで3シーズン目を迎える東京ヴェルディで、新加入の加藤弘堅はキーマンに指名される。J1昇格の徳島ヴォルティスへ移籍した藤田譲瑠チマに代わって、中盤の守備的なポジションを任されるはずだからだ。
加藤は、昨季はJ2を大いに盛り上げた。J3から昇格したギラヴァンツ北九州でダブルボランチの一角を担い、前半戦首位リターンの立役者となった。2008年に京都でスタートしたプロキャリアで、ハイライトと言っていいシーズンだっただろう。
永井監督の東京Vは、4-3-3のシステムで圧倒的なポゼッションをベースとする。自陣からビルドアップをしていくなかで、サイドバックがハーフスペースに立ったり、中盤から前線の選手が流動的にポジションを取ったりする。アンカーポジションの選手は全体のバランスを見極め、テンポ良くボールを動かし、危険なスペースを埋め、相手の攻撃の芽を摘み取っていく。文字にすれば当たり前のタスクだが、実際に遂行するのは簡単ではない。
東京Vがプロ5チーム目となる31歳は、技術とプレービジョンを兼ね備える。北九州の小林伸二監督のもとで、ハードワークにも磨きをかけた。永井監督の要求にも応えられるはずだ。
移籍1年目ながら、5人の副キャプテンのひとりに指名されている。昨季は12位に終わったチームが昇格圏へ浮上していくには、加藤の活躍が必要だ。