J2021年のJリーグがいよいよ幕を開ける。本稿では新たなシーズンに挑むJ1各チームの注目選手を2名ずつピックアップ。チームとしてのポイントも紹介する。ニュースターの誕生を期待したい。
◎浦和レッズ
リカルド・ロドリゲス監督を招聘し、変革の時を迎えた浦和。勝利を重ね、毎試合満員になっていたあの頃のスタジアムの熱さを取り戻すため、大きく舵を切った。
徳島ヴォルティス時代のロドリゲス監督のサッカーは、アンカーの岩尾憲を中心に行われるしつこいビルドアップと前線からの激しいプレス、というイメージが強いが、必ずしもそれだけではない。起用できる選手の状況によって5バックで守ってカウンター、という戦い方を見せることもあれば、相手の出方次第では繋がずに大きく蹴ることもある。現戦力にも新戦力にも平等にチャンスは存在しており、激しいチーム内競争はスタジアムの熱さを取り戻すきっかけになるだろう。
楽しみが多い浦和だが、不安要素もある。今年が3年計画の2年目だということだ。ACL出場という目標と、世代交代を進めながら新しい戦い方をチームに浸透させることを両立させることは困難なミッションだ。3年計画に関係なく、確実に強くなる未来を感じることができればサポーターも納得し、着実に成長していくチームを楽しみにスタジアムに戻ってくる。チームを生まれ変わらせて新しい浦和の基盤を作ってくれることをロドリゲス監督に期待した以上、監督任せにするのではなく、サポーターを納得させる新たな明確なビジョンの提示がクラブには求められる。
しっかりとした信頼関係がクラブと監督、そしてクラブとサポーターの間にあれば、徳島では阿波踊りに積極的に参加する姿も見せたエネルギッシュで明るいロドリゲス監督は、間違いなく浦和に愛され、新時代を築いてくれるだろう。