■レアル・マドリードがUEFAを突き上げた
欧州スーパーリーグ構想の始まりは1998年だった。「より多くの強豪同士の試合を実現するにはどうしたらいいか」というイタリアの広告代理店の発案だったが、このときには欧州サッカー連盟(UEFA)がそれまで行われていた「カップウイナーズ・カップ」を廃止し、UEFAチャンピオンズリーグ(UCL)出場チーム数を24から32に増やして強豪国には出場権を4クラブに広げたことで沙汰やみとなった。
次に話題になったのは2009年である。レアル・マドリード会長のフロレンティノ・ペレスが「欧州スーパーリーグ創設を」と訴えたのである。UCLでは、レアルから見れば「弱小チーム」との対戦も多く、強豪同士の対戦、たとえばマンチェスター・ユナイテッドやバイエルン・ミュンヘンを相手にしたときと比較して、ファンの関心が薄いことに業を煮やしたのである。このときの彼の言葉に、欧州スーパークラブ推進派の本音が表れている。
「The best always play the best.」
「最高のチームは、常に最高のチームと試合をするのだ」
彼は、UEFAが強豪クラブ同士の試合を増やす方策をとらないなら、欧州の強豪クラブを集めてUCLから抜け、「欧州スーパーリーグ」をつくると宣言した。