■3度目はコロナ禍から始まった

 このときのペレス会長の案では、スーパーリーグに参加するクラブは各国の国内リーグにも並行して参加するというものだった。

 2016年、UEFAは固定された16クラブによる「欧州スーパーリーグ」の可能性について話し合った。16クラブは8クラブずつ2グループに分かれてそれぞれホームアンドアウェーのリーグ戦(1クラブあたり14試合)を戦い、両グループの上位4チームが準々決勝以降の「ノックアウトステージ」を戦うという大会案だった。

 だがこの案は最終的に却下され、UEFAは有力クラブが「スーパーリーグ」創設に走るのを防ぐために「ビッグ4」と言われるイングランド、イタリア、スペイン、ドイツから4チームがグループステージにダイレクトにはいれるよう、UCLの大会方式を変更しなければならなくなった。

 「欧州スーパーリーグ」への動きが再加速されたのは昨年だった。コロナ禍で観客を入れられず、サッカークラブは深刻な経営危機に襲われた。ビッグクラブも例外ではなかった。昨年10月16日にAFPが伝えたところによると、FCバルセロナは2億ユーロ(約250億円)もの減収となり、最終的に9700万ユーロ(約120億円)の赤字になったという。危機感が「欧州スーパーリーグ」への動きを加速させた。

※第2回に続く

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