今季の起用選手を読み解くうえで、“若手選手の育成”は大きな要素となる。ベテランや中堅よりも、若手選手を積極的に起用する可能性が高いからだ。もちろん、序盤からガラっと替えるようなことはしないだろうが、シーズン終盤と比べたときに序盤のメンバーとは大きく変わっている可能性がある。
昨季、Jリーグとルヴァン杯の新人賞をW受賞したDF瀬古歩夢は序盤から最終ラインの核となる。攻撃的な選手で起用が期待される若手は、MF西川潤と仙台からレンタルバックしたFW山田寛人、広島からレンタル移籍してきた松本泰志だ。西川は、プロ入り時に海外クラブも熱視線を送った逸材。山田はレンタル先の仙台で定位置を掴みかけるなど、将来性豊かなストライカーだ。
こうした若手の起用はポジティブな面も持つ反面、クラブの急な方針転換も影響したのか多くの実力派選手を退団させてしまった。初めての国内移籍となった「8」柿谷曜一朗を筆頭に、最終ラインからは木本恭生、片山瑛一、マテイ・ヨニッチの3人が流出。また、レアンドロ・デサバトとブルーノ・メンデスを契約満了としている。昨季の強固な守備を維持するにはやや厳しい状態で、攻撃陣の層も不安が残る。