■アカデミー出身の主力が流出
クラブの黄金期を知る永井秀樹監督のもとで、東京ヴェルディは攻撃で相手を圧倒するスタイルを目ざしてきた。13勝15分14敗で12位にとどまった昨季も、ポゼッションから崩しの局面まではヴェルディらしさをピッチ上に記した。
そのなかで、ふたりのキーマンがJ1のクラブへ新天地を求めた。セントラルMFとしてチーム最多タイの41試合に出場した藤田譲瑠チマが徳島ヴォルティスへ、攻撃的なポジションを自在にこなす井上潮音がヴィッセル神戸へ、それぞれ旅立ったのだ。今オフに限ったことではないが、アカデミー出身の有望なタレントを引き留めるのは難しい。
とはいえ、大幅な戦力ダウンは避けることができている。
セントラルMFには加藤弘堅を迎えた。昨季のJ2で5位に食い込んだギラヴァンツ北九州の主軸で、高い技術と的確なプレービジョンは永井監督が好むタイプと言っていい。また、中盤の複数ポジションをこなす梶川諒太が、徳島からの期限付き移籍で2シーズンぶりに復帰している。
最終ラインには即戦力が加わった。アカデミー出身で10年ぶりの復帰となる富澤清太郎と、昨季は水戸で最終ラインを束ねたンドカ・ボニフェイスである。さらに、左SBと左サイドハーフに適応する安在和樹(レノファ山口から加入)、同じく左サイドが主戦場の山口竜弥(ガンバ大阪から加入)を獲得している。アカデミー出身の安西は、17年以来の古巣復帰だ。