【イングリッシュ・プレミアリーグ ウエスト・ブロムウィッチ・アルビオンvsマンチェスター・シティ 2021年1月26日(日本時間29:15キックオフ)】
圧倒的にボールを支配されることが分かりきっているWBAは、マイボールでスタートした最初の2分間は圧をかけて攻めたものの、以降は引いて守ることを選んだ。シティが先制してからも4-4のラインをしっかりと敷いて守ることに専念し、カウンターでもセットプレーでも、どこかで1点入れて勝ち点1をもぎ取ることを目指していた。
サム・アラダイス監督が就任した12月16日以降では、12月27日のリバプール戦で12分に先制されてもひたすら守り通し、82分に同点として引き分けた、という成功体験がある。そもそもボール保持が得意なチームであるシティと、持たされることが苦手なリバプールを同じように扱うことは難しいはずだが、シティ相手にもスラベン・ビリッチ前監督の最後の試合となった12月15日の対戦で1-1の引き分けに持ち込んでいる。
アラダイス監督が指揮を執って以降、WBAが勝ち点を得た試合は、先述のリバプール戦と、2失点しながら3点を奪って勝利した16日のウォルバーハンプトン戦の2試合で、そこに2-2で90分を終えた1月9日のブラックバーン戦(※FAカップ、PK戦で敗退)を加えても、2点ビハインドの状況には一度もなっていない。
強いられるのではなく、自ら選択した積極的な撤退守備だ。プレミアリーグに残留するためにはそうするしかない、というアラダイス監督のこのやり方は、ペップ・グァルディオラ監督も「結果を出す天才」と認めている。