■2点差は避ける必要があった

 しかし、リーグワーストの失点数で降格圏に沈んでいるチームであるWBAが耐え続けるというのは、当然ながらいつも上手くいくわけではない。

 12月20日のアストン・ヴィラ戦で0-3、同29日のリーズ戦は0-5、1月2日のアーセナル戦では0-4と、先制されても1点を返して勝ち点1、ということが不可能になる2点目を奪われると、そこで試合が決してしまう。

 ちなみに、前節のウエスト・ハム戦は1-2で敗れはしたものの、先制されてから一旦追いついている。アラダイス監督が率いた全ての試合を振り返ってみると、WBAは1点を追いかける状況はゲームプランに織り込み済みだが、2点差になるとどうしようもなくなるのだ。

 先制したシティは早く2点目を奪って勝利を確定させること、WBAは2点差をつけられないことが大事だった。

 20分、ジョアン・カンセロのパスにベルナルド・シルバが抜け出すとWBAはオフサイドをアピール。シルバがそのままプレーを続けた4秒後にシアン・マッシーエリス副審が旗を上げたものの、クリス・カバナー主審は笛を吹かずにそのままプレーが続いた。

 旗が上がって2秒後、シルバは上がってきたカンセロにパス。WBAの選手が再び審判にアピールをして足を止めたことで、カンセロはノープレッシャーでシュートを放つことができ、そのボールがゴールネットを揺らしたところで主審の笛が吹かれた。

 VARによる確認の結果、シルバはオンサイドで問題なく、シティに試合を決定づける2点目が記録された。ちなみに、DOGSOの基準を満たしているかどうか、といった幅のある判定ではなく、オン・オフの2択(ファクトか否か)しかないオフサイドの判定は、主審によるオンフィールドレビューは行われない。

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