スペイン人指導者の目に映る日本サッカー(2)  本場の目利きをも魅了するJクラブとその理由の画像
アレックス・ラレア氏 撮影/渡辺航滋
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近年、Jリーグでプレーするスペイン人選手が増えている。また、乾貴士久保建英と、かつてはハードルが高かったスペインの1部リーグでプレーする日本人選手も増えている。では、近づいてきた両国では何が変わり、またどんな差が横たわっているのか。ヨーロッパ最高位の指導ライセンスであるUEFAプロを持つチーム・個人のパフォーマンス分析の専門家であり、元スペイン代表ダビド・ビジャらが生み出したメソッドを日本で伝えているアレックス・ラレア氏に話を聞いた。

■試合を見ることはとても重要

 ラレア氏は、日本の子どもたちの技術レベルの高さを称賛する一方、戦術面に問題があると指摘する。その理由の一端は、サッカーとのかかわり方、とらえ方にあるのかもしれない。

「スペインの子どもは小さい頃にプロの選手を見て、サッカーをプレーすることを選択します。ただ『サッカーが好きだから』というよりも、プロの試合を見て、競技を始めることが多いんです。だから、ほとんどの子どもが、サッカーの“文脈”を理解した上で試合を見ています。

 日本では、サッカーというスポーツに憧れてプレーを始めて、自分でプレーするのは好きだけど、試合を見ないという子が多いように思います。プレーをするにあたり、サッカーとは実際にどんなものなのかを知るか知らないかでは、大きな違いがあります。試合を見ることは、非常に重要です」

 成功する選手の要素としてラレア氏が挙げる一例が、チームプレーと、その中での自分の役割への理解度だ。

「どういうプレーすることが、チームにとって良いのか、またはミスにつながるのか。プレーをする際の選択肢を理解しつつ、その中から正しいプレーを選んでいる選手は、かなり高いレベルにたどり着くと言えますね」

 スペインと日本の子どもには、このような差があるという。成長するにつれて、日本でもプレーへの理解度は高まるが、プロレベルでも両国の間に存在する違いが、ラレア氏の目にはくっきりと見えている。そこにあるのは、やはり「判断」の差だ。

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