鎌田は2シャドーの1人として出場し、ペナルティエリアの手前に生まれたスペースを活用したり、最終ラインを抜けて味方にスペースを提供したりと、相手の嫌なところに姿を見せるプレーヤーとして味方をサポートした。

 前線からの守備でも貢献し、1点目は鎌田のタックルからショートカウンターで一気にもぎ取った。3点目は中盤での鎌田のスルーで攻撃のスピードを上げ、4点目ではセンターサークルからドリブルで中央を攻め上がって左にパス、と数字には残らないが大きな役割を果たした。

 この3点はいずれも最終的にビーレフェルトの最終ラインがボールに絡んで生まれたもので(クリアを味方に当ててしまった、クロスに足を出したらコースが変わってしまった、オウンゴール)、そうした事態では、下がりながらの守備をする状況で慌てさせられることで発生確率が上がる。

 日本人選手の活躍を伝えるニュースでは、単に途中のなんでもないパスに加わっただけで“得点に絡んだ”と言われることもあるが、この3ゴールは、1点目はもちろん3点目も4点目もしっかりと得点に貢献したと言える。それはビーレフェルトに下がりながらの守備をさせた主役が、いずれも鎌田だからだ。

 そして、幸いにも数字に残る5点目も生まれた。左サイドからルカ・ヨヴィッチのゴールをアシストしたことで、ヨヴィッチが加入して1トップ2シャドーから2トップに変更する可能性が出てきたチームの状況に対してしっかりと数字でアピールした。
 

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4