ビーレフェルトの堂安律、フランクフルトの長谷部誠、鎌田大地。3人の日本人選手が先発出場した一戦は、フランクフルトの完勝に終わった。
長谷部と鎌田はどちらも痒いところに手が届く選手としてフランクフルトを支えた。
ボランチでの出場が続くキャプテン長谷部は、ビルドアップで必ずパスコースの選択肢になるように動くだけでなく、状況に応じて最終ラインに加入したり、攻撃時に前線に上がって相手ボランチを自分につかせたりと、数的有利を生み出すために動き続け、攻守でチームを停滞させないようにする質の高いパフォーマンスを見せた。
ボールのあるところで目立つ場面は少なかった(タックル2回、空中戦1回、クリア2回、インターセプト1回、ドリブル1回、パス53本)が、それは黒子役として動いていたからだ。経験値から的確に状況を判断する円熟味のあるプレーぶりだったが、37歳という年齢は、ポジティブさだけを感じさせた。この試合で長谷部が記録した33.30km/hという数字は両チーム最速のものだ。
いかに各所に顔を出すためにテキパキと動いていたかが数字としても表れると同時に、質だけでなく体もまだまだブンデスリーガの最前線でプレーし続けられることを、フランクフルトの首脳陣に示した。