【Jリーグ移籍動向中間報告】横浜F・マリノスが「欧州ビッグクラブ級」の強化策!?の画像
写真/サッカー批評編集部
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 2021年シーズンの開幕に向け、各チームともチーム編成を進めている。近年と比べて随分とおとなしいクラブ、一気に選手を放出したクラブなど、新型コロナウイルスの影響もあってか、例年にはないような動きも見えてきている。

 横浜F・マリノスも、そうしたクラブのひとつだ。鹿島アントラーズとともに1993年のJリーグスタート時からトップリーグに所属し続ける「オリジナル10」の一角で、2019年のJ1王者でもある。

 だが、両クラブは随分と違う歩み方でトップリーグ生き残りを続けてきた。鹿島は一貫して4-4-2のフォーメーションをベースとして崩さず、優秀なブラジル人選手を招きながらも2トップの一角は必ず日本人にするなど、選手をじっくりと育てる方針を貫いてきた。対して横浜FMは、後述するように方針がさまざまに変わってきた。

■若手を積極的に武者修行へ

 そんな名門がこのオフに新たに見せているのが、多数の若手を期限付き移籍に出す、という手法だ。 2000年代中頃までの横浜FMでは、若手の期限付き移籍は戦力外通告の意味合いが強かった。他クラブでの武者修行は片道切符になることが多く、戻してもらえる選手は少なかった。

 そもそも日本サッカーリーグ時代から、日本代表選手が多く所属するタレント軍団だった。前述の時代は他クラブの主力選手も積極的に獲得してチーム力のアップに務めていたが、その裏で若手が出場機会をつかむことは難しくなっていた。2007年に争奪戦の末に加入したゴールデンルーキー乾貴士も不遇をかこって、翌年の夏にはセレッソ大阪へと期限付き移籍で去っていった。翌シーズンに完全移籍で買い取られた乾はその後、ヨーロッパ、日本代表へと羽ばたいていった。

 若手の育成に難があったそのクラブが今年、期限付き移籍を積極活用しようとしている。昨季開幕前に貸し出した選手は6人だったが、今年は11人に上っている。しかも、そのうち3人は、まだトップチームにも加わっていないルーキーなのだ。

 ユースから昇格した寺門陸と植田啓太、さらに唯一の大卒ルーキーであるンダウ・ターラは、いずれもJ2をプロ初年度の戦いの舞台とすることになった。さらに、Honda FCから獲得した白坂楓馬も、鹿児島ユナイテッドへと期限付き移籍する。立命館大学卒業後に2年間プレーしたJFLより1つ上のカテゴリーにあたるJ3で、プロの世界で戦えるか否かを見極めるということだろうか。

 昨年からの期間延長も含めれば(ドイツへ渡った遠藤渓太は除く)、横浜FMの今季の期限付き移籍の選手は14人に上る。これは、他クラブの追随を許さない数字だ。

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