デビュー戦を終え、戦術面以外でこれから久保に求められるものは何か?

 それは数字以外の何ものでもない。

 ヘタフェからすれば、久保は“武者修行中の若手選手”ではなく“チームを残留に導く助っ人外国人選手”だ。上手さや存在感だけではなく、はっきりとした数字を残してもらわなければならない。この日、自身のプレーから2つのゴールを生んだ久保だが、残念ながらどちらも記録上アシストはつかない。もちろん、この試合での評価としては高くなるが、シーズンが終わった時に残る数字には入っていない。そして、最終的な評価はその数字でされることになる。

 ヘタフェは、攻撃時の選手間の距離が広く、ボールホルダーへのサポートは少ない。パスを受けるところから相手との1vs1が始まり、特に「3」のサイドの選手には個人で局面を打開することが求められる。加えて、先述の通り高い位置でのボール奪取も求められる。攻守共にデュエルを制することが90分を通して求められ続ける、成長にはうってつけの環境だ。

 しかも、「3」で2列目に並ぶ左のククレジャと中央のカルレス・アレニャは共にバルセロナのラ・マシア出身。さらに、現在は怪我で離脱中だが1トップに入るクチョ・エルナンデスとはマジョルカで共にプレーし“KuCuコンビ“と命名されるホットラインを築いた仲だ。シーズン途中の移籍ではあるが、やりやすい状況が用意されている。だからこそ、ここで数字をしっかりと残さなければならない。救ってくれたヘタフェのためにも、レアル・マドリードに戻るためにも。


■試合結果

エルチェ 1ー3 ヘタフェ

■得点

4分 ラウル・グティ(エルチェ)
39分 マルク・ククレジャ(ヘタフェ)
69分 ハイメ・マタ(ヘタフェ)
86分 アンヘル・ロドリゲス(ヘタフェ)

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4