2つ目は92分のものだ。プレスをかけてボールを奪うと、そのままドリブルでペナルティエリアに侵入し後ろから倒された。3-1でリードしたアディショナルタイムに主審の笛が鳴ることはなかったが、高い位置でボールを奪うことができる選手であることを示したことが大きい。チームメイトの信頼を得るだけではなく、ホセ・ボルダラス監督に大きなアピールをすることができた。
ヘタフェの守備時は4-4-1-1だが、敵陣では勢いよくプレスをかける。ハイプレスからのショートカウンターはトレンドだが、ヘタフェの場合は最終ラインの守備に難があるために、なるべく前でボールを奪い返したい、というプレスだ。弱点をカバーするためにリスクを負う、という状態で2ボランチの選手も勢いよく飛び出すので、失敗すると一気に最終ライン4人と相手攻撃陣の対決になる。そうなってしまうと、もともと難のある守備陣がなおさらあっさりと失点を喫することになるが、そのリスクと秤にかけても、最終ラインを信用できないのが現状だ。そのため、ボールを奪えない前線の選手はスターターとしては使われない。
ぶっつけ本番でありながらチームのやり方を体現できた。それこそが上々のデビュー戦だったと言える。