次節の1月21日(日本時間)のウエスカ戦で新天地デビューすることが濃厚とされていた久保建英だが、エルチェ戦が大雪の影響で1日延期されたことで1月12日の試合にメンバー入りすると、1-1の同点の状況で64分にチーム最初の交代で途中出場を果たした。
4-2-3-1で戦うヘタフェの「3」の右に投入された久保は2ゴールに絡んだ。
自身のミドルシュートが弾かれたところにハイメ・マタが詰めて勝ち越しとなる2点目が入り、丁寧に上げたセンタリングをアンヘル・ロドリゲスが競り合ってPKを獲得し3点目となった。同点の状況から2つのゴールを生んだ、というのは確かに十分な出来と言えるが、ここではそれ以外の2つのプレーを取り上げて、上々のデビュー戦であった、と言いたい。
1つ目は71分から72分にかけてのものだ。久保は自陣ペナルティエリア横までプレスバックしながら戻り、クロスを上げる相手に対応した。そのクロスがヘタフェボールとなったことで一気に攻め上がると、センターラインを過ぎたところでボールを受け、逆サイドのマルク・ククレジャに大きく展開。久保はそのまま前線に走り、ペナルティエリア内でククレジャの上げたクロスボールにヘディングを試みた。ミートこそしなかったが、この一連の動きは、しっかりとヘタフェ仕様にアップデートされたものだった。
ヘタフェの4-2-3-1の「3」のサイドの選手は、逆サイドにボールがある場合には中央に絞るだけではなく、ペナルティエリア内で積極的にターゲットになる。この試合のヘタフェの1点目も、右サイドからのクロスに「3」の左を担当するククレジャが頭で合わせたものだった。ヘディングでゴールを決めるタイプではない久保だが、中央に絞ってペナルティエリアの手前でトップ下のように位置取るのではなく、早速チームの特徴に合わせてみせた。