それほどのものが懸かった試合で、リオネル・メッシに守備を無効化されるクロスボールを通されて先制点を許してもなお、前半のシュートが0に終わることを良しとしてまで引いて守ることしか選択できないようなチームにおいて、岡崎に求められることは何なのだろうか?
それは守備での貢献だけではなく、フォワードとして得点に貢献することだ。
72分に登場した岡崎は、1点を追いかける展開にあって、攻めたいが手数をかけてバルセロナにボールを奪われたくない、というチームに欠かせない存在だった。
すぐに、岡崎がスペースに走ってディフェンダーを引っ張り、味方のシュートコースを作る場面、そして自身にクロスボールを呼び込んでヘディングでシュートを放つ場面が生まれた。もちろん守備への切り替えも早いが、それよりもバルセロナ相手にウエスカの攻撃を牽引していた。
守備で貢献するフォワード、ではなく、攻撃で目立つフォワードへ。
この試合のようにチーム全体が引いて守る場合には岡崎は起用されず、攻撃したい時に出場機会を得る。もちろん、出場をすれば守備にも奔走するが、勝てないチームだからこそ、本来のフォワードとしての役割で目立つチャンスがあり、苦しい試合が続きながらもフォワードの選手としてのやりがいはあるチームだ。