フレンキー・デ・ヨングとミラレム・ピャニッチが中盤で大人しいプレーを続けていたこともその理由の1つだが、なによりもアントワーヌ・グリーズマンだ。そういう取り決めなのか、あるいはまだこのやり方に慣れていないのか、デストが上がった時に守備に重きを置いてプレーしていたことで、マルティン・ブライスワイトへのクロスボール以外は怖さのないサッカーになってしまっていた。

 そのブライスワイトも、前半にPKの失敗とVARでのゴール取り消しでついていない日になってしまった。後半はゴール前でエイバルのゴールキーパーであるマルコ・ドミトロヴィッチが防いだボールが体に当たったものの、ボールは枠外へ向かってしまった。

 3バックのロナルド・アラウホがプレスの餌食になって失点してしまうと、追いかける形になったバルセロナはようやく攻勢を強めてウスマン・デンベレのゴールで引き分けに持ち込んだ。

 左サイドをフランシスコ・トリンカオ、コウチーニョ、フィルポの3人が連動して突破して生まれたこのゴールシーンはバルセロナらしさを一瞬感じさせたが、それ以外ではバルセロナではないチームの試合を見ているようだった。

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