日本のスタジアム新時代(2)ポイントとなる「スペースの活用]」の画像
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『世界スタジアム物語 競技場の誕生と紡がれる物語』(ミネルヴァ書房刊)という著作をもつ後藤健生さんが、今年オープンしたスタジアムを訪れて大きな満足を覚えたという。京都府亀岡市にできたサンガスタジアムのどこが、世界のサッカー場を知る筆者にそれほどの思いを抱かせたのだろう。観戦しやすいスタジアムの条件とは。そして、日本のスタジアムのレベルはいま、どのあたりにあるのか―。

■駅近スタジアムのナンバー1

 サンガスタジアムの最大の特徴の一つは、スタジアムが駅に隣接しているため非常にアクセスが良いことだろう。

 スタジアムは京都市内ではなく、隣接する亀岡市にあるが、京都駅からは山陰線(嵯峨野線)の電車で約30分だ。そして、スタジアムは亀岡駅から至近距離にある。現在は駅とスタジアムの間が工事中なのでちょっと遠回りをさせられるが、なにしろ駅からのアクセスは抜群だ。

 1階席後方のコンコースに出てみたら間近に亀岡駅のホームが見えた。もしも、ホームとスタジアムを結ぶ跨線橋を設置できれば、駅の本屋を通らずにプラットホームから直接スタンドに入ることも可能になるだろう。

 スイス・バーゼルのザンクトヤコブパークには、スイス国鉄の臨時駅が設置されており、プラットホームから直接スタンドのコンコースに入れるが、サンガスタジアムでもそれと同じようなことが実現できそうだ。

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