ランパード監督が核であるカンテに拘りすぎたことで、アーセナルは用意していたプラン通りに試合を進めることができた。チェルシーが攻撃に振り切るしかなくなった展開だったとはいえ、終盤のようにシンプルに個で上回ってくるサッカーに切り替えられることが一番嫌だったはずだ。

 前半45分の中で何も修正しなかったこと、そしてハーフタイムにもごく当たり前の反応しかできなかったことは、ここまで5位という成績であったとしてもランパード監督の周囲が騒がしくなることに直結してしまう。

 15位だったアーセナルは、どん底で迎えたビッグロンドンダービーで作戦が見事にハマっての快勝となった。内容よりも結果が必要だったチームは、結果だけでなく内容もしっかりと残したことで一気に自信を取り戻した。この勝利によって、ポジショナルプレーのルールに囚われすぎていた状態から、対戦相手ごとに戦術で上回る、という意味での戦術家にアルテタ監督が戻っていけば、アーセナルの再浮上は十分あり得る。

「ダービーに順位は関係ない」その言葉は、両監督の未来にも大きく影響しそうだ。

 

■試合結果

アーセナル 3ー1 チェルシー

■得点

34分 アレクサンデル・ラカゼット(PK)

44分 グラニト・ジャカ(FK)

56分 ブカヨ・サカ

86分 タミー・エイブラハム

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4