当然、フランク・ランパード監督はハーフタイムに修正をしてきた。ジョルジーニョを投入し、カンテを前でプレーさせることで打開を図ったが、そうしてくることはアーセナルも織り込み済みだった。
カンテが中盤の底からいなくなったことで、アーセナルはアタッキングサードでより攻撃的なプレーが目立つようになった。スミス・ロウに加えてグラニト・ジャカが上がってくることで、数的優位を保ちながら高い位置で起点を作った。両サイドバックもより積極的に顔を出すようになり、サカとマルティネッリがフリーに動けるようになると、56分にそのサカがゴールを奪って3ー0とした。
修正したはずのチェルシーは、カンテが右サイドからクロスを上げるだけでなく、左サイドからのクロスにはなぜかワントップの位置で体を張る場面が見られる迷走した。後半はつきっきりで監視するわけではなかったとはいえ、それだけスミス・ロウの働きが見事だったのだ。逃げるようにポジションを選んでいくカンテだったが、当然その行き着く先は自身の良さを発揮する場所ではなかった。
65分、アルテタ監督はスミス・ロウを交代させた。これ以上ない勝利宣言だった。
チェルシーは、ようやくジョルジーニョとカンテがまともに2ボランチの形になって安定したが、3点を追うサッカーに2ボランチは必要なく、カンテは74分に交代することになった。