■「歴史というのは急に動き出すんだよ」
―ゴールキーパーの変化には、なにか原因がありますか?
後藤「歴史というのは急に動き出すんだよ。いろんな蓄積があって、知らずに動いていたんだけど、ある日、急にそれが見えてくるんだよ」
大住「ヨーロッパサッカーの影響だとは思う。マヌエル・ノイアーとかね。だけど、イビチャ・オシムなんかはキーパーを選ぶ基準を、そういうところに置いていたよね。西川周作が若い時に代表に呼ばれていて、ぼくがオシムに、なんで呼んでいるのって聞いたら、フィールドプレーヤーとしての働きだって答えたから。
だから、十数年前からそういうことは考えられていた。サッカーというものを考えていくと、キーパーがうしろで遊んでいるよりも、ここに入れたほうが、選手ひとりを前に出せるじゃないかというのは、できるかできないは別にして、行きつく考えなんだよね」
後藤「昨日(12月19日)の試合で、拓大の縦パスに対して、流経大のキーパーがクリアしようと思って思いっきり飛び出したら、ヒョイッて抜かれて簡単に1点を取られていたよ」
大住「ハハハ」
後藤「まあ、キーパーが前に出たら、そんな危険もあるわけで。今度はそれをどうやって利用するかを狙ってくるはずだよ」