なにもかもが未曾有の事態だった２０２０年。Ｊでは史上空前の勢いで川崎フロンターレが駆け抜け、ＡＣＬに出場した３チームは苦い結末を迎えた。ピッチ上ではさまざまな変化があったが、変わらないこともあった。新たな星が日々生まれ、偉大なディエゴは逝ってしまった。サッカージャーナリストの大住良之、後藤健生の２人が、あらためて激動の１年を振り返る。
後藤「若手の育成よりも、とにかく結果を出してくれと言われれば、監督はそういう仕事をするわけだし。クラブとして若手を育てたいのなら、そういう監督を呼んできて、そういうことをやらせるわけだしね」
大住「そのへんが浦和ははっきりしなかったよね」
後藤「そこをしっかりやったのがフロンターレだよね。結果が出なくても我慢して、しっかり若手の育成をやった結果が、今のフロンターレになったわけだし」
―昔はすごい外国人選手呼んできてチームを作っちゃう、なんてことがあったわけですよね？ この質問は柏のマイケル・オルンガのことを思い浮かべていたのですが……。
後藤「あんなすごいとは誰も思わなかったよね」
―そうだったんですか？
大住「だと思うよ。最初はイロモノみたいな感じだったよね」
後藤「ケニア？ マラソンじゃないんだからって」
大住「全然日本のサッカーにリズムが合わなくてさ。すぐに守備をしろ、なんてスタイルのサッカーには合わない感じはしたけど、彼は本当に桁違いになっちゃったね。でも、日本でサッカーをやって急に伸びる選手はいるよね？」
