■「マリノス独自のクイックコーナーは、今年生かせなかった」
―ショートコーナーだけを蹴るサッカーというのは、世の中にありましたか?
大住「マリノスはショートコーナーじゃなくて、クイックコーナーなんだよ。セットして、寄ってきて、ショートコーナーをやるわけじゃなくて。とにかくコーナーになったら、近くにいる選手がボールを持って、コーナーに走っていって、トンっと置いて、それで近くにもうひとりが来たら繋いで、攻めを始めるんだよ。だからクイックコーナーなんだよね。
あれは他ではあまり見なかったね。けど今年のJリーグではあまりできなかったね、どこのチームもクイックコーナーにすぐ対応していたから。その結果、マルコス・ジュニオールがセットして長い球を蹴るという普通のコーナーキックになっていた。湘南との試合なんかでは、クイックコーナーをさせないように、ボールパーソンがゆっくりと渡していたりね」
後藤「クイックコーナーをやられるとメモが取れなくて困るんだよね。コーナーキックだ、ってメモしている間にすぐ始まっちゃうんだよ。普通はゆっくりとメモをする時間があるんだけど。コーナーにセットして、手を上げて、蹴るまでにね」
大住「面白いのはね、日本のサッカーはメモをする時間が十分にあるの。大体コーナーを蹴るまでに30秒以上あるから。だけどワールドカップとかヨーロッパのサッカーを見ていると、20秒くらいで蹴るからメモする時間が短いんだよ。すぐにパパッとメモしないと追いつかなくなっちゃう」
後藤「ぼくが一番最初に海外でサッカーを見たのは1972年のアーセナル対マンチェスター・シティなんだけど。もうとにかく、なんて速いんだろうって思ったからね」