その後、Jリーグベストイレブンに8度選出され、2016年には最優秀選手にも選ばれる。J1・J2合わせて500試合以上に出場し、日本代表のキャップ数は「68」。この辺りの説明は必要がないほどに、18年間の輝きはまぶしかった。
その中村にとって、2019年11月2日は試練の日となった。先発メンバーに名を連ねた14番は、66分で負傷退場。そして、11月22日に手術を余儀なくされる。相手は奇しくもデビュー戦の相手、広島だった。
11月25日にクラブが出したリリースは、「左膝前十字靭帯損傷、左膝外側半月板損傷 全治7ヶ月程度を要する見込(手術日より)」と、39歳のサッカー選手にはあまりに厳しいものだった。そして、ここから、復帰に向けた闘いが始まった。
実際に復帰したのは、2020年8月29日だったから、7か月の見込みを大きく上回った10か月半という期間が、その闘いがいかに厳しいものだったかを伝える。