しかし、17試合連続で白星から見放された際、記録更新とともにその良さは消えていき、結果的に“矛盾した戦術”を感じさせる試合すらあった。目を覆いたくなる試合もあった。

 大分戦で見せた仙台の戦い方は、“湘南戦モデル”とは違ったものだった。むしろ、それを伏線として大分の混乱を誘っているようにすら見えた。

 片野坂知宏監督が率いる大分は、自陣の最も低い場所からボールをつなぐ。その徹底的なつなぐ行為は一見すると高い位置で奪うチャンスに見え、前プレスをかけてくるチームが多くある。そして、その前プレスをかけてきた相手を逆手に取って、チャンスを作る術に大分は長けている。

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