■番外編

◎ユーリ(SC相模原)

 最後に、J2とJ3を合わせて最も気になった新戦力の選手を1人。それは相模原のユーリだ。

 最初は、ヘニキ(現レノファ山口)のような選手が出てきたな、という印象だった。栃木時代にフォワードとして起用されることも多かった同選手のように、フィジカルを全面に押し出して圧倒する選手だろうと思った。

まず、なんといっても腿が太い。その見た目でフィジカルが強いのは明らかで、実際強引に突破していける選手なのだが、ただ強いだけではなく自分のフィジカルの強さを活かす術を持っている選手で、ドリブルでの突破では強引でありながら上手さも感じさせられた。

 フィジカルだけではダメだし、テクニックだけでもダメなのだ。フィジカルを活かすためのテクニックや、テクニックを活かすためのフィジカルを持っていなければ、自分の思い描いたプレーというのは試合ではできない。そういうことを、プレーでわかりやすく教えてくれる選手だ。

 鳴り物入りで加入した西川潤セレッソ大阪)や、新たな怪物候補の唐山翔自(ガンバ大阪)であっても、J1の舞台ではまだ真価を発揮できていない。実力だけではなく、チーム状況やタイミング、そして運、それらが重なり合って結果となって初めて点が線になっていく。まずはスタジアムで点を目撃し、そこで気になった選手を個人的に注目してみてほしい。たまたま行った試合でたまたま見てなんとなく気になった選手のその後を追う、そんなサッカーの楽しみ方もありだろう。

 また、その選手のそれまでを知ることも面白い。例えばここで上げた小畑は、実は世代を代表するゴールキーパーであり、高校1年生の時点で既にトップチームの練習に参加していた。しかし普通にJリーグを見ているだけでは、応援しているチームの選手であったとしてもそういうことは知らないままのことが多い。

 サッカーを楽しむ方法は、まだまだたくさんある。

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