■白熱するFC東京のサイドバック争い

バングーナガンデ佳史扶(FC東京)

 全力で上下動を繰り返すその姿は、つい応援したくなる。湘南戦では、ディエゴ・オリヴェイラが溜めを作ったところを駆け抜けていったり、アダイウトンが空けてくれたスペースに走り込んだりしたものの、決定的な場面には絡めなかった。しかし、前半に見せた低弾道で矢のようなクロスは、それ1発で気になる存在にさせられた。トーキックでのシュートのような、カーブがかかっていない真っ直ぐのクロスボールは、Jリーグでなかなかお目にかかれないものだ。攻撃の面白いオプションになり得るボールであるし、精度をより高めれば、悪魔の左足の異名をとるようになることだろう。

ただし、スピードのある永井謙佑や、J3のU23チームで共に戦ってきた大型FWの原大智にそのクロスが届く様子を来季見ることができるかどうかは、ポジション争いを勝ち抜けるかどうかにかかっている。

経験豊富な小川諒也だけではなく、守備に絶対の自信を持つ中村帆高、そして加入が内定している蓮川壮大(湘南戦でデビュー済み)との左サイドバック争いはJ屈指のハイレベルだ。右サイドでは中村拓海が非凡なパスセンスを発揮してレギュラーの座を掴んでおり、2人の中村が左右で出場することが増えているが、全員のタイプが異なっているため、相手によって様々な組み合わせが可能だ。来季のJ1は20チームになり、東京オリンピックによる中断もあるだろう。今季同様、過密日程になってしまうは必至で、疲労の溜まりやすいサイドバックの替えが利くことはチームにとって大きなプラス要素だ。バングーナガンデのアピールチャンスも必ず訪れる。室屋成が抜けたものの、FC東京は当面の間サイドバックに困ることはない。

PHOTO GALLERY 全ての写真を見る
  1. 1
  2. 2
  3. 3