■鎌田の活躍が光る

 後半に入ると、ポジショニングを工夫してフリーでボールを受け始めた鎌田は、79分、今度はバス・ドストのゴールをお膳立て。カウンターの場面で、シウバがフリックしたボールに合わせて抜け出してドリブルで進むと、左を並走する元オランダ代表FWに折り返す。ファーでドストが左足で押し込んで勝ち越し弾。

 残念ながら82分にマックス・クルーゼに強烈なミドルを突き刺され、試合は3-3のドローに終わったが、フランクフルトが無残な敗戦を免れたのは、鎌田の活躍があったからと言って過言ではない。

 試合後にアディ・ヒュッター監督は、殊勲の日本代表MFについて、次のように言及した。

「ダイチ・カマダは試合に上手く入れなかったが、上手く立ち戻って闘ったね。彼は2つのアシストでドローに貢献し、熟練のマックス・クルーゼのように印象を残した」

 敵のボランチが執拗に付いてきたことが既に1つの証だが、ブンデスリーガの対戦相手にとっていかに“危険な存在”であるかを、鎌田は「2つのアシスト」で証明した。

 これで9試合を終えてアシスト数は6。シウバ、ドストらFW陣はもちろん、周囲の選手との連係にも磨きがかかってきた。残りの試合数は25であることを考えると、少なくとも二桁越えは十分に現実的。

 もちろん今後、対戦相手のマークがさらに激しくなる可能性はある。しかし、それすらも成長の糧としそうなほどに、鎌田は逞しく成長しているようだ。 

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