■首位の徳島が8試合ぶりに敗れる
J1リーグは川崎フロンターレの優勝が決定的となっているが、J2リーグの昇格争いはまだまだ結末が見えていない。
今シーズン最後の5連戦の1試合目として、J2は11月21、22日に35節が行なわれた。J1昇格争いを演じている3強の関係に、動きがあった。
首位の徳島ヴォルティスが敗れ、2位のアビスパ福岡が引分け、3位のV・ファーレン長崎が勝利したのだ。徳島と福岡が同時に勝点3を逃すのは、実に9月2日の16節以来である。勝点は徳島が「71」、福岡が「69」、長崎が「66」となった。
徳島は京都サンガに0対2で敗れた。黒星を喫するのは8試合ぶりで、無得点は6試合ぶりである。
内容がひどく悪かったわけではない。「立ち上がりはいい形でボールを動かして、狙っていきたいスペースは突けていた」とリカルド・ロドリゲス監督が振り返ったように、ポゼッションをしながら相手のスキをうかがっていた。しかし30分、自陣でのパスワークがほころぶ。
GK上福元直人のフィードを清武功暉が自陣左サイドで受けるが、ワンタッチのつなぎがうまくいかずにボールを失う。京都の庄司悦大がすかさずタテパスを入れると、ゴール正面の仙頭啓矢に左足で蹴り込まれてしまった。
機を見てハイプレスを仕掛けてくる京都に、自陣でボールを奪われるシーンは失点以前から散見されていた。それ自体は想定しているリスクのはずだが、実際に失点につながると試合の流れは悪くなる。次に決定的なチャンスを作ったのも、徳島ではなかった。
57分、相手CBヨルディ・バイスに垣田裕暉へのタテパスをインタセプトされ、攻守が入れ替わる。ポジションを修正する前に仙頭に前を向いてボールを受けられ、ピーター・ウタカへスルーパスを通される。ペナルティエリア左からシュートされ、2失点目を喫してしまった。
ロドリゲス監督は63分に河田篤秀と佐藤晃大を投入し、83分には押谷祐樹も起用する。そのうえで、アタッカーの西谷和希をDFラインに下げ、攻撃的な選手を増やして反撃を試みたが、京都の守備をこじ開けることはできなかった。