■粗削りすらも成長の余地に見える
34分のカウンターの場面では、なんとハーランドを止めようとタックルをかましたヨシュア・キミッヒの方が負傷。がっつり削ったつもりが、“怪物”はノー・ダメージ。苦悶に顔を歪めるドイツ代表MFは、そのままピッチを退いた。
52分には、ポストプレーからロイスのリターンパスを受け、追いすがるジェローム・ボアテングをものともせずシュートまで持っていく。ノルウェー産の“怪物”の傍では、元ドイツ代表DFも並のCBに見えてしまう。バイエルンを相手にしても、スケールの大きさは相変わらずだ。
そして極め付けは83分。ラファエウ・ゲレイロの浮き球のパスに反応して抜け出すと、マヌエル・ノイアーをかわしてゴールを決める。2点差が付いて試合の行方がほとんど決まっていた状況とは言え、世界でナンバー1とも賞せられるGKから悠々と得点を奪うハーランド。もはやブンデスに敵なし――。そう思わせるだけの存在感を、このバイエルン戦で示した。
もちろん対峙した敵のエースFWレバンドフスキと比べると、ポストプレー後のパスの正確性や、ドリブルからのシュートコースの作り方など、まだまだ荒削りの部分はある。だが、それも成長の余地とするならば、このまま順調に改善を重ねて完成したハーランドは、一体どれだけのFWとなっているのか…。
繰り返すが、彼はまだ20歳なのだ。