この試合で、アップする仙台の控え選手からは消炎鎮痛剤などの匂いが、強く発せられていた。他のチームではないレベルだ。推測になるが、外から見ている以上に、選手は満身創痍の状態かもしれない。
また、選手がどれほど頑張ろうとも、現在の仙台には整備された戦術が用意されていない。それは、攻撃でも守備でも同じだ。その状態で、同じイメージを共有するのは極めて難しい。鳥栖戦の先制点もそうだが、選手個々人のパスミスに見える場面が、必ずしも個人の技術や判断によるものとは限らない。少なくとも、ビルドアップで形を持っていない現状で攻撃の拙さの責を選手に押し付けるのは、あまりにかわいそうだ。
降格がない今年のレギュレーションから、来年は4チーム降格という厳しい戦いが待っている。仮にJ2降格となれば、債務超過の解消の複数年計画など、さまざまな部分に影響が及ぶ。降格がない中で、残りの試合をどう活用するのか。ベガルタ仙台というクラブの正念場は、もう始まっている。