FWアンデルソン・ロペスが決めた先制点も、川崎MF守田英正からMF駒井善成がボールを奪ったことが起点となるが、田中碧が守田にボールを預ける瞬間から、駒井は狙っていた。川崎陣内の縦でちょうど半分のところでボールを奪ったわけで、川崎の守備陣の数は少ない。駒井の1発のスルーパスで、ロペスはなんなくペナルティエリア内に侵入してみせた。

 65分にMF荒野拓馬が決めた2点目も、MF田中碧から札幌の選手が2人がかりでボール奪ったのが起点となった。センターサークル付近で奪取すると、札幌が3人で攻め上がったのに対応できた川崎のフィールドプレイヤーは2人だけだった。

 アグレッシブな姿勢を持ち続けたことで、得点が生まれたのだが、そのためにペトロビッチ監督は、自ら「クレイジー」と話す選択をしていた。これが2つ目のポイントだ。

 オーストリア人指揮官は、「守備はときに後ろの人数を同数にして、リスキーな戦いをした」という。「個の能力やコンビネーションの優れた川崎に対して同数で守るのは少しクレイジー」と話すが、札幌は前回対戦で6失点しての大敗を喫しているため、勝つためにリスクを背負う必要があったということだろう。

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