そしてこれが当たった。62分、MF守田英正からボールを奪うと、素早く縦に運んでロペスが先制点を奪ったのだ。さらに、65分にもMF田中碧からボールを奪ったロペスがそのまま前進。札幌はロペスを中心にオリヴェイラとMF荒野拓馬が左右を並走する。対する川崎は、DF谷口彰悟とDFジェジエウの2人のみ。3対2と数的優位でゴールに迫ると、ロペスから左のオリヴェイラ、そしてオリヴェイラから荒野とボールを移して追加点を奪うことに成功した。
たまらず、70分に鬼木監督は交代カード残りの3枚を切って局面打開を試みたが、川崎は最後までゴールを奪うことができなかった。MF中村憲剛が入って川崎のパスワークを復活させようとしたが、それも最後までつながることはなかった。
札幌戦の前の段階で、川崎はリーグ戦でわずか1敗しかしていなかった。その唯一の敗戦も、川崎が攻めに攻めたものの負けてしまった試合だ。川崎が90分間を通して、チームが機能しなかったことは今季はなかった。対戦相手はその都度、独自の川崎対策を施してきたが、FC東京がルヴァンカップ準決勝でうまくいった以外は、有効なものはほぼなかった。